社長のコラム 今月のヒント
平成27年07月号
意外と知らない「下さい」と「ください」の使い分け
「下さい」と「ください」。このふたつ、実は同じ意味ではありません。普段あまり意識したことがない人も多いかと思いますが、きちんとした使い分けがあります。漢字で書くか、ひらがなで書くか、迷うことがありませんか?
日常的によく使う「~クダサイ」という表現。漢字だったり平仮名だったり、その表記の仕方はまちまちですよね。そもそも「ください」は、尊敬語の「くださる」が変化した丁寧・尊敬表現です。意味は大きく分けて2つ。
まずは漢字の「下さい」。キャットフードを下さいのように「(物)を与える」という意味の本動詞として尊敬・丁寧を表現する場合で「下さい」と書きます。物を頂く為にお願いをする場合に使うべきなのが「下さい」。相手に何かしらの事物を願い求める時の"ちょうだい"といった使い方で す。英語でいえば〔give〕。
続いて、平仮名の「ください」。あそこを見てください。動作を表す名詞や動詞の次に付ける補助動詞で、他の人に動作を依頼するときや動作をする人に対する敬意を表現する場合で、「(~して)ください」と書きます。「お飲みください」など。「資料を配ってクダサイ」「どうぞご自愛クダサイ」。これは、相手にこうして欲しいと動作を依頼したり命令する場合に用いる表現。英語でいえば〔please〕。"どうぞお願いします"といった意味です。
まとめます。サービス業である私たちがお客様に対して使うことがおおい「クダサイ」の表記は多くの場合が“お願い”になります。そういう意味で、約款やチラシ、店頭での注意事項などはすべて「ください」とするべきです。ただし、これはかなり公的な印象の強い国語の問題なので、一般的にはどちらでもいいとも言えます。しかし、「クダサイ」を「下さい」とすると、お客様に対して“下”という字を使ってしまうので上から目線?と感じる方もいるかもしれません。