社長のコラム 今月のヒント

令和04年08月号

味覚の話

味覚とは味を感じる感覚である。味は舌の表面にある「味蕾(みらい)」という器官でキャッチされ、神経細胞を通って脳に伝わり、「甘い」とか「苦い」とかを知覚する。 この味覚を学ぶ授業が全国あちこちの小学校で開かれているという。なぜ小学校なのかというと、味蕾は8歳頃から増え始め、12歳をピークに減っていく。ピーク時には約1万2000個にもなるが、20代30代で約7500個に、50代60代で3000個にまで減るそうだ。つまり味覚が次第にぼやけていくのだ。だから大人は苦いものも酸っぱいものも平気で食べるし、刺激の強い食べ物を好むようになるようだ。

亡くなった父親が話してくれたことがある。「まずはよく噛むこと。赤ん坊と同じものを食べろ そうすれば健康になれる」と。赤ん坊はお酒を呑まないし、刺激物を食べない。そして熱いものも極端に冷たいものも食べないし、味の濃いものは食べない。離乳食なんてすごい薄味ですからね。しかし、大人になると刺激の強いものが「食べられるようになる」というのは、大きな間違いであって、「大人になると味覚がぼけてきて、より強い刺激がないと、味覚を感じなくなってきている」と科学的に考えるべきなのでしょう。となると、味覚を磨くためには、「ちょっと味が薄いかな? もう少し辛い方がいいかな」などというときに、調味料や香辛料を意識的に使わなくすることが健康的な食生活と言えるのでしょう。