社長のコラム 今月のヒント

平成27年09月号

作業とサービス

私たちはお客様に対するサービスをどのように考えているでしょうか。世界ソムリエコンクールで優勝したことのある田崎真也さんは、ソムリエと言う立場からこんな話をしています。

お客様が、「今日の料理は本当においしかった」といって帰られるのは喜べません。料理はコックさんが作るものであり、サービス係が高い人件費をかけて給仕をしている意味がないからです。

また、「ワインがおいしかったよ」といわれれば、レストランとしての価値はなかったということになります。おいしいワインはそれを作っている醸造家が偉いのです。サービス係は何をお客様に与えたかと言う観点では、こうした反応では不十分です。

「今日は、とても楽しかった」。そういっていただけるときが成功した時です。良い時間を過ごしていただけたということを表しています。サービスと言うのはお客様に「心地よさ」を感じていただくことです。料理を運んだり、ワインの栓を抜いたりすることは「作業」に過ぎず、サービスではありません。よく犯す間違いは作業をサービスと勘違いすることです。

お客様が来店されて、お辞儀をして丁重な口調で「いらっしゃいませ」と言い、間違えずにタグをきちんと付けただけでは、それは作業ということです。暑い中をクリーニング店に来てよかったと思って帰っていただけるような接客はどうしたらできるか、みなさん考えてみましょうよ。