社長のコラム 今月のヒント

令和07年10月号

今月の一言

それをなんで早く言わないんだ 激高した長嶋は、取材や予定をすべてキャンセルした

読売巨人軍 終身名誉監督である長嶋茂雄さんが逝去された もちろんたくさんの優秀な正式を残したことは当然ではあるが、ここまで多くのファンがいたという事実は、彼の生涯成績の評価だけではなく、人としての誠実な人間性が多くの人を惹きつけたことに他ならないと思う エピソードには枚挙に暇がないが・・・ひとつご紹介したい

長嶋さんが監督時代の話です 甲子園遠征に行く前日、村田が浮かない表情で長嶋に話しかけた 『監督すみません 甲子園で5分でいいですから 時間作ってくれませんか』 実は村田の父親はガンであり余命1年だった そして、息子に対し最後のお願いをしていた それが、『1度でいいから長嶋さんと写真を撮りたい』というものだった 親父が倒れて、もう生きても1年だと村田が長嶋に理由を説明すると、『なんで早く言わないんだ お前のお父さんは家族と一緒だ』と言い、次の日の予定をすべてキャンセルし、村田の父の病院に向かった 病室に長嶋が訪れると、喜ぶ村田の父親 だが、長嶋の時間を気にした村田が10分ほどで切り上げようとすると、長嶋は『決めるのは俺だ』と数十分も延長して父親と話をし、最後に写真も撮った

翌年、村田の父親は亡くなったが、病床のふとんの横には長嶋と一緒に撮った写真を飾り、毎日見ながらニヤニヤしていたという