社長のコラム 今月のヒント

令和06年07月号

謙虚な考え方とは

 もう数年前のはなしにはなるが、日本列島はWBCの優勝で大いに盛り上がっていた。監督を務めた栗山英樹さんは、まさに時の人となり、講演は依頼されるは、テレビ出演は続くは、とにかく大層な持ち上げられようだった。しかし、栗山さんは或る講演で冷静に次のように話している。そのさりげない言葉がとても印象的だった。

 「唯一分かったのは、こうやって人はダメになっていくという、それだけですね。それは確信ですね」。栗山さんは他人から褒められる人生を送ってこなかったと言う。それがここ一年、どこに行っても称賛される日々が続き、「人はこうやって勘違いしてダメになっていく」と言うのだ。行間から「そうならないように謙虚さを忘れずにいたい」という意思が感じられた。その冷静さが日本を優勝に導く采配をしたのだなとあらためて彼の姿勢に感銘を受けた。