社長のコラム 今月のヒント
令和03年10月号
今月の一言
赤塚不二夫さんと言えば、『天才バカボン』や『おそ松くん』などで知られる大人気漫画家です。お亡くなりになった今でも、深夜にリメイク版のアニメが作られたりしていることはご存知のとおり。
その赤塚先生が人気絶頂だったころのこと。なんと、徹夜で仕上げた原稿を、担当編集者がタクシーのなかに置き忘れるという事件が起こったのです。真っ青になって赤塚先生のもとに戻ってきた編集者。無くした原稿を探していては、締め切りに間に合いません。ひたすらに謝って、「もう1度、同じ原稿を描いてください」とお願いします。
みなさんなら、どう対応しますか? 編集者を頭ごなしに怒鳴りつけますか? ここで赤塚不二夫の神対応に学ぶ、「やってしまった!」とき気力を復活させる“魔法の言葉”が。
「まだ(締め切りまでに)時間がある。飲みに行こう!」
冗談ではなく、本当に、編集者を誘って飲み屋へ行く赤塚先生。ひと飲みしてから再び仕事場に戻り、締め切りまでに、描き直した原稿をきっちりと編集者に渡したのです。
さらに、赤塚先生が言ったのは、描き直した原稿をこう言って、編集者さんに原稿を渡したのです。
「2度目だから、(最初より)もっと、うまく描けたよ」
仕事に失敗した時、判断を誤った時、さらに、他人がミスをしたとき。いつも赤塚先生の言葉を思い出すようにしている。「次はもっと適切な判断ができるはずだ!」と。